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2024/12/30

記者の“誘導”質問に阪神の“不死鳥”の回答は? 完全復活目指す来季の目標

野球教室で守備を担当した阪神・高橋投手

■阪神・高橋遥人投手プレート除去から2か月 30メートルのキャッチボール

周囲の期待を感じながらもマイペースを貫く。阪神・高橋遥人投手が12月29日、チームメートの岩崎優投手らとともに地元・静岡市で開催された野球教室に参加した。今シーズンは左ひじのけがから復帰して5試合で4勝をマーク。記者からは来シーズンに12勝を挙げて30歳での通算30勝達成を“誘導”されたが、質問には乗らずにかわした。

 

質問コーナーはきわどい内容も 「何で米がダメ?」に中日・村松開人選手の回答は…

 

静岡市で開催された「プロ野球静岡県人会野球教室」は静岡県出身のプロ野球選手が集まる年末の恒例イベントで、今年は過去最多となる12人の選手が参加した。阪神からは“静岡県人会のキャプテン”岩崎投手と高橋投手、さらに今秋のドラフト会議で5位指名を受けた富士宮市出身の佐野大陽内野手も出席した。

 

高橋投手は昨年、育成選手として野球教室に参加していた。左肘と左肩の手術を受けた影響で育成契約となっており「支配下登録を目指します」と宣言。その言葉通りに再び支配下登録選手となり、今シーズンは1025日ぶりの白星を含む4勝を挙げた。5試合で防御率1.50と抜群の安定感を見せた。

 

今年11月には、昨年6月に左尺骨短縮術を受けた際に骨に埋め込んだチタンプレートを除去した。まだ、キャッチボールは30メートルほどの距離にとどまっているが、高橋投手は「キャッチボールをしている時の感じは前よりも良いです。プレートが入っていた時にはない感覚です」と表情は明るい。度重なるけがを乗り越えてきた姿は、藤川球児監督から「不死鳥」と表現されている。

高橋投手とチームメートの岩崎投手は初回から8年連続で野球教室に参加

■「30-30」に誘導する質問 記者の“ワナ”にかからず

完全復活が期待される来シーズンに向け、記者の鼻息も荒い。野球教室終了後の取材では、ドジャース・大谷翔平選手が今シーズン達成した「50-50」とかけて、高橋投手に「30-30」を宣言させようと質問が飛んだ。

 

高橋投手は現在、プロ通算18勝を記録している。30歳を迎える来シーズンで12勝をマークすれば通算30勝で「30-30」となる。記者が「個人的には2ケタ勝利など目標設定は大きくて構わないと思うが、来シーズンの目標は?」と問うと、こう答えた。

 

「大きな目標はないです。今までの自分に負けないように頑張りたい。具体的な数字は言わないです。言った方が良いんですかね?」

 

今度は、別の記者が畳みかける。「30歳で通算30勝になりますが?」。高橋投手は“ワナ”にかからず、「いつ投げるか分からないので、投げる試合で勝てるように頑張ります。通算20勝はいきたいですね。十の位の数字が変わるので」と回答。さらに、「20勝からは積み重ねていく感じ?どこまでいきますか?」と食い下がる記者に、「分からないです。頑張ります」と笑顔でいなした。

 

■食らいつく記者 「一番良い年越しでは?」の質問には…

記者と高橋投手の“対決”は続く。「30-30」がはまらないと感じた記者は、緩急をつけるように別の質問を投げる。「過去に何回かけがをしているので、今年は一番良い感じの年越しになるのでは?」。高橋投手は相手のペースに乗ることはない。

 

「そうですか?30メートルの距離でしかキャッチボールできないですよ」

 

記者に「でも、今回はけがではないから?」と食いつかれても、「けがじゃないんですかね?状態を上げるためにプレートを取ったとは言えますが。今後の自分に期待しています」と、記者が求めた「過去一番の年越し」を肯定しなかった。

 

野球教室では子どもたちに声をかけられ、スタンドのファンからは声援を受けて手を振って応えた。「今シーズンは支配下に上がることが目標でしたが、来シーズンはチームの勝利に貢献したいです。外から見ても今年の球は良いと感じてもらえるパフォーマンスを見せたいと思います」。数字の目標は公言しなくても、自らの役割を果たす。

トークショーの後半に登場した6人の選手

【プロ野球静岡県人会野球教室の参加選手】

(阪神)岩崎優、髙橋遥人、佐野大陽

(広島)赤塚健利、二俣翔一

(ヤクルト)小澤怜史、鈴木叶

(中日)村松開人

(オリックス)鈴木博志

(楽天)前田銀治

(くふうハヤテ)池谷蒼大

(オイシックス)髙田琢登

 

(間 淳/Jun Aida)

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