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2025/04/20

講師が県危機管理部の職員なのに… 危機管理は大丈夫?の皮肉 震度7を誤配信

■初歩的な人為ミス 東伊豆町に震度7の情報を誤配信

静岡県の危機管理部に所属する職員2人が講師を務めた防災研修で、震度7の情報を誤配信する問題が起きた。あまりにも初歩的なミスに、誤った情報が流れた東伊豆町の町民や県民からは「危機管理部の危機管理は大丈夫なのか?」、「災害時の対応を任せるのは不安」といった声が上がっている。

 

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県や東伊豆町によると、4月17日に賀茂地域局管内の市町職員と県職員を対象とした「ふじのくに防災情報共有システム(FUJISAN)」の操作研修を実施した。研修の講師は県危機管理部危機対策課の職員2人が務めていたという。

 

午後3時40分頃、研修受講者が本来の「訓練モード」ではなく、誤って「実際に配信する」を選択した状態でシステムを操作した。それにより、NTTドコモやソフトバンクなど4つのキャリアを通じて東伊豆町エリアに誤った情報が配信された。

 

誤配信された緊急速報メールは「東伊豆町震度7地震」、「地震が発令が発令されました」(原文まま)という内容だった。メールに気付いた東伊豆町の防災課の職員が研修会場に問い合わせ、午後3時51分に東伊豆町役場から誤った情報を発信したことを同報無線で放送。その5分後に訂正のメールを配信した。

 

東伊豆町には誤配信直後から、本当に震度7の地震が発生するのか町民から問い合わせが相次いだ。東伊豆町は「町民の皆さまをはじめ、観光関係者、エリア内で受信されました皆さまには心よりお詫び申し上げます。今後につきましては、操作手順の確認を徹底し、再発防止並びに信頼回復に努めてまいります。大変誠に申し訳ございませんでした」と謝罪のコメントを発表している。

危機管理部が入る静岡県庁

■県民から厳しい声 「講師は何を見ていたのか」、「研修のための研修」

人為的なミスで誤発信された今回の問題に対し、東伊豆町民からは「本当の地震じゃなくて良かった」、「どうせミスだろうと思っていたので驚かなかった」といった声が上がる一方、県のシステムや研修への不安や批判は大きい。次のような意見が出ている。

 

「これほど簡単にミスが起きてしまうのはシステムの問題。訓練モードを選択せずに情報発信する場合は、発信前に訓練モードではないが大丈夫かを確認する画面が表示されれば防げる。防災を担当している部署が、このシステムで問題ないと判断したことが考えられない」

 

「誤った情報を発信する重大さが全く分かっていない。危機管理部は大丈夫なのか?こんなミスが起こるシステムを運用しているところに、災害時の対応を任せるのは不安。発信された文章も日本語が間違っていて、講師は何を見ていたのか不信感しかない」

 

「研修のための研修をやっている証。緊張感や責任感があれば起こり得ないミス。何のために危機管理部の県職員が2人も講師にいたのか。県がホームページで発表した内容を見ても、誤発信した文言は載っていないし、謝罪の言葉もない。操作を誤った人に責任を押し付けている印象を受ける」

 

県危機管理部は県のホームページで誤配信の概要や経緯を説明している。今後の対応については「今後の研修では、システム操作の開始前に注意喚起を徹底するなど、誤操作の防止に努める」と記載している。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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