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2025/04/23

100億円企業が“異常増殖”中!? 静岡県は地方トップクラスの成長ぶり 政府の政策も後押し

■年商100億円の企業は1万5159社 1年間で590社増加

政府が支援する「年商100億円の企業」が急増している。年商100億円を超える企業は全国で1万5159社に上り、前年から590社増加したことが帝国データバンクの最新調査で明らかになった。静岡県内の年商100億円企業も前年から15社増えて310社となった。

 

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民間の調査会社・帝国データバンクによると、2023年度決算時点で年商100億円を超えた企業の数は1万5159社で、全体の1%に当たる。100社に1社が「100億企業」になった計算になる。

 

業種別では「卸売業」(4236社)と「製造業」(4007社)が突出している。代表者の年齢では60歳代が最多の4830社だが、30歳代以下の経営者による100億企業も181社存在しており、若い世代の挑戦も着実に増えている。

 

都道府県別では東京都が6124社(都内企業全体の3.09%)で最も多く、100億円企業全体の約4割を占める。次いで大阪府の1663社(府内企業の1.53%)、愛知県の1062社(県内企業1.40%)が1000社を上回っている。

写真はイメージ

■静岡県は310社 「ネクスト100億円企業」は66社

静岡県では2023年度時点で100億企業が310社に上り、県内企業全体に占める割合は0.71%と全国でもトップクラスの水準だった。これは首都圏・関西圏以外の地方都市としては高い数値であり、製造業を中心とした地域経済の底堅さがうかがえる。

 

また、2023年度に新たに100億円を突破した企業は全国で609社に達した。静岡県からも12社が加わった。さらに、今後3年以内に100億円企業となる可能性のある「ネクスト100億企業」に静岡県では66社が該当(2024年度:10社、2025年度:30社、2026年度:26社)。この数は、地方圏の中では北海道、福岡県に次ぐ規模であり、成長のポテンシャルは非常に高い。

 

こうした成長企業を支援するため、政府は「100億企業宣言」制度や最大5億円の設備投資資金を補助する「成長加速化補助金」などを今春から導入。特に地方の中堅企業に対し、設備投資や販路拡大を後押しする政策を積極的に展開している。

 

しかし、100億円達成までの道のりは業種や地域によって大きく異なり、特に製造業では平均して55.7年の年月を要する。一方で、不動産業やサービス業は比較的短期間での達成が可能とされるなど、ビジネスモデルによる差も顕著だ。

 

帝国データバンクは「現在年商100億円以上の企業、直近で突破した企業、これから突破できる可能性のある企業の分析を通じて、より良い政策支援の連動が進むことで、100億円企業が牽引する国内経済の持続的成長、賃上げの未来につながると言えよう」とまとめている。

 

もちろん、年商が企業の価値を決めるわけではない。極端な例で言えば、110億円の土地を購入して100億円で販売しても年商100億円となる。粗利を十分に確保できなければ当然、経営はひっ迫する。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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